50歳以上の男性の方であれば、「前立腺肥大症」が考えられます。「前立腺肥大症」とは、男性の尿道をとりまく前立腺(精液をつくるところ)が肥大して、尿の通り道を圧迫して、排尿障害をおこす病気です。
尿の勢いが低下したり、排尿に時間がかかったり、頻尿になったりと様々な症状を引き起こします。加齢とともに徐々に進行する疾患で、原因は男性ホルモンが影響していると言われていますが、実はまだよく分かっていません。
その他、「前立腺がん」や、「過活動膀胱」という病気が隠れている可能性もありますので、泌尿器科受診をお勧めします。
治療法は大きく分けて、薬物療法と手術療法に分かれます。薬物療法としては、①交感神経α1受容体拮抗薬:前立腺の緊張を緩める薬、②5α還元酵素阻害剤:前立腺の大きさを小さくする薬、③ホスホジエステラーゼ阻害剤:前立腺の血のめぐりを良くする薬、④その他:植物由来製剤、漢方薬など、があり、患者さんの状態に応じて使用します。
また、本年より、手術療法として、接触式レーザー前立腺蒸散術(CVP)を始めました。今までの電気メスを用いた手術方法(経尿道的前立腺切除術(TURP))よりも、出血や疼痛が少なく低侵襲で、早期の社会復帰が可能な手術方法です。
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